原始反射とは|子どもの発達と大人の生きづらさの背景

原始反射。発達と大人の生きづらさ

「まわりと同じようにやっているつもりなのに、なぜか自分だけうまくいかない」
「集中が続かない」「音や光がつらい」「気持ちの切り替えが苦手」——。

そんな理由のはっきりしない生きづらさを、性格や努力不足のせいだと思い込んできた方は少なくありません。

その背景に、赤ちゃんの頃の「原始反射」が関係している場合があります。

このページでは、原始反射とは何か、大人に残っているとどんなサインが出るのか、そして大人からでも整えられる理由をお伝えします。

原始反射とは

原始反射とは、赤ちゃんが生き延びるために生まれつき備えている、自動的な体の反応です。
お母さんのお腹の中にいる頃から働きはじめ、意識しなくても刺激に反応して体が動きます。

たとえば、生まれてすぐの赤ちゃんは教えられなくても、口もとに触れると顔を向けておっぱいを探す。大きな音に驚いて手足をパッと広げる。
どれも、生まれてすぐの数か月を生きるために欠かせない働きです。

さらに原始反射には、脳と体を育てる土台づくりという大切な役目もあります。
反射の動きをくり返すうちに筋肉や関節が育ち、バランス感覚や眼の動きの基礎ができて、次の発達段階へ進む準備が整います。

役目を終えた原始反射は、生後1年ほどのあいだに少しずつ消えていきます。
この「現れて、働き、統合されて消える」という流れが順番どおりに進むのが、自然な発達の姿です。

発達は積み木のように積み上がる

人の発達は、一段ずつ積み上がる家のような構造です。
いちばん下の土台にあるのが、お腹の中で働きはじめる初期の反射と原始反射です。

原始反射から高次の学びまでの発達の階層を示した図

その上に姿勢のバランスをとる反射が育ち、ハイハイなどの運動パターン、目や耳の感覚、ことば、そして読み書きや人間関係といった高度な学びが積み重なっていきます。

大切なのは、土台が不安定だと、その上のすべての段階に影響が及びやすいことです。
原始反射が統合されないまま残ると、上の段階を支えるために余分な力を使い続けることになります。

大人になっても残っているとどうなるの

原始反射は成長とともに消えていくのが自然ですが、大人になっても残ることがあります。
遺伝的な要因、妊娠中や出産時の状況、乳児期にハイハイが十分でなかったことなど、背景は人それぞれです。

反射が残っていても、多くの方は自分なりに折り合いをつけて暮らしています。
ただ、そのぶん脳と体に負担がかかり続け、疲れやすさや生きづらさとして表れることがあります。

特に、ストレスや疲れがたまっているときほど、影響は表に出やすくなります。

次のサインにいくつも心当たりがある場合、背景に原始反射の残存が関係しているかもしれません。

  • 気が散りやすく、集中が続かない
  • 光・音・におい・触れられることに敏感、または逆に鈍い
  • 感情の波が大きく、気持ちの切り替えが苦手
  • 疲れやすく、動いたあとにどっと疲れが出る
  • 乗り物酔いをしやすい
  • 体が緊張しやすく、肩や首がこわばりやすい
  • 片づけや段取りが苦手で、予定どおりに進めるのが難しい
  • 人と一緒にいる場面のほうが、かえって落ち着かない
  • じっと座っているのがつらく、姿勢を保ちにくい
  • 文字を読むと目が疲れる、行を目で追いにくい

これらは「だらしない」「集中力がない」「気にしすぎ」と片づけられがちです。
けれども、努力が足りないわけではありません。
むしろ人一倍がんばってきたのにうまくいかず、自信を失っている方が少なくありません。

なお、これらのサインは発達特性(ASD・ADHDなど)でみられるものと重なる部分があります。
原始反射が原因だと断定はできませんが、両者の関係は指摘されており、体の土台という別の角度からアプローチできる可能性があります。

代表的な原始反射

原始反射にはいくつもの種類があります。
ここでは代表的な4つを簡単にご紹介します。
それぞれのくわしい内容は、今後のブログ記事で少しずつお伝えする予定です。

恐怖麻痺反射

妊娠初期に現れる、身をすくめて固まる反射です。
残っていると、新しい場面や人前で体がこわばりやすく、強い不安や内気さとして表れることがあります。

モロー反射

大きな音や急な動き、姿勢の変化に、体をパッと開いて驚くように反応する防御の反射です。
残っていると、ささいな刺激にも過敏に反応しやすく、緊張や不安を感じやすい状態につながることがあります。

緊張性迷路反射(TLR)

頭を前後に動かしたときに、全身の緊張バランスをとる反射です。
残っていると、姿勢を保ちにくい、上や下を見たときにふらつきやすいといったサインにつながることがあります。

脊髄ガラント反射

背中の腰のあたりに触れると、体をそちらへ曲げる反射です。
残っていると、じっと座っていられない、そわそわ動いてしまう、服やベルトの締めつけを嫌がるといったかたちで表れることがあります。

大人からでも、整えることに取り組めます

「もう大人だから、いまさら遅いのでは」と感じるかもしれません。
けれども脳と体には、反射の動きのパターンをあらためて育て直す力が備わっています。

赤ちゃんが動きのくり返しで反射を統合していったように、そのプロセスをもう一度たどり直すことで、大人からでも体の土台を整えていけます。
やさしい動きをくり返すアプローチなので、運動が苦手な方も自分のペースで進められます。

土台が整ってくると、無理をして頑張ってなんとかこなしていたことが、少し楽になったと話す方もいます。
「怠けていたわけではなかった」と、自分を責める気持ちがやわらぐことも、大切な変化のひとつです。

原始反射統合に取り組んでみたい方へ

エネポートでは、原始反射の視点を取り入れたアプローチを、目的に合わせて二つご用意しています。
横浜・三ツ境で、おひとりおひとりに合わせてサポートします。

ご自身の反射を整えたい方 ─ ブレインジム個人セッション

「自分の生きづらさに向き合いたい」「まずは体験してみたい」という方には、個人セッションがおすすめです。
筋肉反射テストで体の状態を確かめながら、その方に必要な原始反射の統合エクササイズを組み立てます。

統合にも役立つエクササイズを学びたい方 ─ ブレインジム101公式クラス

「自分でセルフケアできるようになりたい」「家族や大切な人を支えたい」「専門的に学びたい」という方には、ブレインジム101公式クラスがあります。

エネポートのブレインジム101は、協会カリキュラムどおりの24時間で開催しています。
原始反射については、公式24時間とは別枠のエネポート独自特別講座(2時間)としてお伝えしています。
原始反射とブレインジムの関係を、個人セッションでの実践経験を交えてご紹介する内容です。

どちらを選べばよいか迷ったら、お気軽にお問い合わせください。
あなたの「なぜかうまくいかない」の背景に、そっと光をあてるお手伝いをします。